最小限の出っ張りで、ケーブルを保持するケーブルマネジメントツール『Cable Clip』の販売を開始しました。
ケーブル1本を取り回すミニマルなケーブルマネジメントツール。レールに沿う方向と、レールと直交方向の2方向に配線ができ、ケーブルの垂れ下がりが気になるところをピンポイントで押さえるなどにも活用できます。
見た目はミニマルで使い方はシンプル。すでにケーブルマネジメントのモジュールはいくつも出しているなか、なぜいまさらこれを出したのか。その背景をお話しします。
こだわり続けてきたケーブルマネジメント
PREDUCTSではDESKとDASHBOARDあわせて40以上のモジュールを展開しています。
モジュールが担う機能はさまざまですが、その中でも「ケーブルをきれいに配線すること」は、我々の提供する大事な価値のひとつです。
実際、ブランド立ち上げ時から展開する、ケーブルを束ねるモジュール『Belt Adapter』は、DESK・DASHBOARDの両方で付属品としても同梱しています。
電動昇降脚から垂れ下がるケーブルを押さえるモジュール『Magnet Cable Holder』も、初期から展開しているプロダクト。
ACタップなどを含めて配線を隠すモジュール『Mesh Cable Holder』も、多くの方にご愛用いただいているものです。各々の使い方に合わせられるよう、設置用の金具(Hanger)は標準以外に2種類展開していたりもします。
これらのモジュール群は比較的汎用性が高く、我々自身ユーザーとしてみても、配線周りにはあまり不満を感じていませんでした。
そんな状況を変えたのが、『DASHBOARD』の登場です。
DASHBOARDは、デスクの上に設置する性質上、デスクより配線の数が少なくなる傾向にあります。それを上手く隠そうとすると、Belt Adapterでは大きすぎるようになってしまったのです。
というのも、Belt Adapterはあくまで複数本のケーブルをまとめられるように設計されたもの。1本だけでも留めることはできるものの、どうしても厚みや存在感が出てしまうのです。
機能的にはカバーしているものの、目に入る機会が多いDASHBOARDの配線はもう少しスッキリさせたい……。そんな思いからこのCable Clipの開発はスタートしました。
シンプルな構造へ辿り着くまで
最初は、Belt Adapterの構造を土台にして造形を検討していきました。
ですが、Belt Adapterと同様にレールにねじ込む形状にすると、どうしてもBelt Adapterに近しいサイズ感になってしまいます。そこで、途中から現在のレールに差し込む小さなクリップ型のアイデアを検討していきました。
ですが、このクリップ型だとレールの中にケーブルを通すのが前提で、一方向にしか配線ができなくなってしまいます。そこで、今度は二方向に配線できる機構を検討。このあたりから、少しずつ製品版の面影が感じられるかと思います。
ですが、この二方向からのアプローチがなかなか良いアイデアが出ず難航。長らく挟み込む形を想定していたのですが、最終的にはレール方向と同じような穴を側面方向にも開けた、非常にシンプルな造形へと着地しました。
そこから、量産に向けた金型設計や、強度のバランス、ひっかかりの具合などでの微調整を重ねて、最終的な製品へと仕上がっていきました。
配線のラストワンマイル
このCable Clipは、あくまでケーブルを1本だけ引っ掛ける、"用途が限られた"とも言えるプロダクトです。
ですが、これまでのラインナップと組み合わせてとらえると、「この垂れ下がってるところだけ押さえられたら……」「この配線がうねってるのだけ気になる」といった、配線のラストワンマイルとも言える課題感を解消してくれるプロダクト。
配線への飽くなき探究心と情熱をお持ちの方、ぜひお試しください。