PREDUCTS DESK用モジュールに、新たなラインナップを加えました。
『Drawer Three - Shaft』『Drawer Two Plus - Shaft』——既存のDrawerシリーズに、ステンレス削り出しのシャフトブラケットを採用した新仕様です。
本体は既存のDrawer Three / Drawer Two Plusと機能的には共通。デスクと接続するブラケット金具が、従来のスチール板金から、ステンレス削り出しに置き換わっています。
機能仕様だけを見れば、これはバリエーション展開に見えるかと思います。
ただ、私たちにとってこのDrawer - Shaftは、PREDUCTSの新たな基準となるようなプロダクトなのです。その理由を背景と合わせてお伝えします。
注力する感性品質という断面
PREDUCTSのモジュールは、当初スチールの板金加工によるものが中心でした。加工性、コスト、設計の自由度など複数の観点で合理性の高いアプローチであり、今も私たちの基盤となる加工方法のひとつです。
他方で、板金にも不得手な部分はあります。例えば切削と比べると立体的な造形の自由度は低いですし、アルミやステンレスと比べるとスチールの板金塗装は、どうしても金属としての質感を高めづらいのも事実です。
そうした事実を相対的に把握できたのは、ここ1〜2年のアルミ切削での経験があったからです。幾度かJOURNALでも触れてきましたが、PREDUCTSはここ数年でDASHBOARD周りを中心に小型のアルミ切削モジュールをいくつも展開してきました。その過程で、切削ならではの造形の自由度や触覚のクオリティの高めやすさへの理解も深めつつ、切削の知見を溜めてきました。
その中で、「いまなら、デスクまわりの大型モジュールでも、五感的な品質をグッと引き上げられるかもしれない」——そう考えはじめたのが、今回のDrawer - Shaftの起点でした。
削り出しを大型モジュールに持ち込むにあたり、私たちが最初に選んだのがDrawerです。
Drawerシリーズは多くの方にご愛用いただいている、PREDUCTS DESKを象徴するモジュールのひとつ。そのクオリティを高めることは、ラインナップ全体における質感の基準値を明示する意味を持つと考えたからです。
とはいえ、すべてを変えようという話ではありません。冷静に見て、本体構造は、今も既存の板金が最適解であることは変わらないと考えています。
ただ、ブラケットに関しては既存のスチール板金より意匠の面ではより良くできる余地があるのではないか。ここを切削加工のものにするとDrawer本体のハンドルとも質感が合い、よりプロダクトの一体感が高まるのではないかと考え、ブラケットのみをアップデートする方向で設計をスタートしました。
ミリ単位を比較し続ける日々
設計はプレッシャーのある意思決定でもありました。
多くの方に使われている定番品に手を加えることは、ブランド全体の印象に直接影響するともいえるからです。
シャフトの太さ、長さ、フランジの形状、取り付け位置……あらゆる組み合わせを試作し、ミリ単位でしか差のない実物で比較しながら、理想とするバランスを探っていく繰り返しでした。また取り付け方法の変更によって、荷重が発生する箇所も変わるため、ブラケットだけでなくDrawerの筐体自体の再設計も必要になりました。
PREDUCTSはここ1〜2年、3DCGでかなり試行錯誤をおこなった上で、実物の試作に入るという流れが中心でした。これはCGでの検証精度がかなり高く、かつスピードも出るため合理的なアプローチだったからです。
ですが今回は視覚的な印象、触った感触、使いやすさを主軸に置いた検討だったため、実物での検証がこれまで以上に必要になりました。ひたすら設置し、さまざまな角度から眺め、触れ、はじめて分かる差が数多くあったのです。
気がつくと試作品が積み上がり、オフィスはシャフトだらけ。「これ、どの試作だっけ……」と取り違えたこともあるほど細かな差分の検証を重ねました。量産仕様が固まった後にも、先行品を取り寄せて念のため細かく確認するほどです。
そうした検証を重ねていると、後から検討が始まったDASHBOARD用のShaft Legのほうが先に仕様が固まり、シャフトシリーズとしては先んじてリリースされることに。
それから2ヶ月ほど遅れることにはなりましたが、やっとこのDrawer - Shaftをお届けできるかたちになりました。
これからを語る上で欠かせないプロダクトに
視覚的な佇まいの良さも追求したDrawer - Shaft。
DASHBOARDのShaft Legと並び、私たちが届けたい質感とらしさの基準を体現するプロダクトです。
正直、引き出しという機能面だけを見れば、既存のDrawerシリーズとほぼ遜色はありません。かつ、既存のような設置方法のバリエーションもないため、使い分けを前提としており併売していくかたちになります。(既存のラインはDrawer - Steelという名称になります)
ただ、今回のDrawer - Shaftは、これからのPREDUCTSを語る上で欠かせない新たな質感の基準となるプロダクト。確かな意味があるモジュールです。
ぜひ、お試しいただけると嬉しいです。