Headgear Hanger:3Dプリントで拡張するプラットフォーム的モジュール

2024-12-25FEATURED PRODUCTS

メイカーズムーブメントを皮切りに、個人にも広がりはじめた3Dプリンタ。とはいえ、当時はまだまだアマチュアが扱うには難しく、「モノを簡単に出力する」というような世界観からはまだ距離があるものでした。

それから10年以上の時が経ち、技術や道具の進歩のおかげで近年ではより安価でより手軽に3Dプリントを楽しめる時代が到来しつつあります。

3Dプリントをはじめとする個人発の“ものづくり”がもっと生活に浸透するかもしれない——そんな期待も込めて、PREDUCTSではDASHBOARD用モジュール「Headgear Hanger for DASHBOARD」を開発しました。

本記事ではこのプロダクトの誕生背景と楽しみ方を紹介していきます。

3Dプリントで拡張してきたPREDUCTSプロダクト

PREDUCTSのチームはブランドの立ち上げ当初から積極的に3Dプリントを活用してきました。スピード感を持って形態や機能を検証できるため、簡易的なプロダクトの試作にはこれまでも幾度も活躍してきています。実際、過去にご紹介したプロダクトの試作品写真の中にも、3Dプリンタで作ったものが紛れ込んでいたかと思います。

左:Keywrench Holderの試作品/右:Headphone Hangerの試作品

加えて、商品化はしていないものの、デスク周りのアップデートや身の回りを少し便利にする道具としても、各々が愛用するアイテムを作っては試したりしています。

TIPS記事としてもご紹介している、3DプリントによるDrawer Mini用のトレイ
Apple WatchやAirPodsなどに使えるMagSafeの充電器をマウントするモジュール
よく使う道具を天板裏に設置するため、磁石を埋め込んだモジュール

また、とてもありがたいことに、PREDUCTSのユーザーの方々からもモジュールや周辺機器を自主的に3Dプリントで開発する動きが見られるようになりました。

DASHBOARD用のMagsafeモジュールを開発いただいたShoさんや、PREDUCTSのモジュールを3Dプリントで開発する方法のnoteまでまとめていただいたHayashi, Kojiさん、そしてその設計の素晴らしさから公式でも製品化させていただくことになったTakumaさんもその一人です。

いずれも、ユーザーの方々が各々のクリエイティビティを発揮し、自然と広がってきた取り組みでした。

Takumaさんの3Dプリントアイテム「PREDUCTS DESK FlexiSpotリモコン用 アタッチメント」は、「Mount for FlexiSpot Controller」として製品化されている

プラットフォームとしてのモジュール

今回発売するHeadgear Hangerはそうした3Dプリントなどでの活用を前提とした、プラットフォームのようなプロダクトです。DASHBOARD Desk Shelfに設置するアーム型モジュールなのですが、これ単体で使うことは想定していません。

このモジュールが真価を発揮するのは、折り曲げられた先端部分や、3カ所開けられたねじ穴を活かすとき。3Dプリントなどで制作したアイテムと組み合わせることで、その用途は無限に広がるのです。

たとえば、AppleのVRデバイス『Vision Pro』に合わせて、ゴーグルを載せるパーツと、バッテリーを格納するパーツを設計。ヘッド部分とアーム部分それぞれに設置すれば“VRゴーグル用ハンガー”として活用できます。もちろん、Vision Proに限らずそれぞれのVRゴーグルに合わせて部分を設計すれば、さまざまな機種で活用できます。

たとえば、愛用するヘッドフォンに合わせて、ヘッドバンドの形状に沿ったヘッドパーツを設計すれば、“ヘッドフォン用ハンガー”としても活用できます。有線ヘッドフォンであれば、アーム部分にケーブルを引っかけるフックを付けることでケーブルもスッキリと収納できます。

また、取り付けるアイテムは「3Dプリント品」だけに限りません。例えば旋盤やフライス盤などの家庭用NC加工機をお持ちの方であれば、木材などでヘッドパーツを作ることも可能です。

Download:

※ いずれも固定に1/4インチネジが必要です。

実際、今回試作品をPREDUCTSユーザーで木製キーボードケースを自作しているNobuki Inoueさんにご提供したところ、ウォールナットとホワイトオークを用いたヘッドフォン用ハンガーを試作してくれました。こちらはInoueさんのBoothでも販売を予定いただいているとのことでした。

>Nobuki InoueさんのBooth

“ものづくり”への一歩を踏み出すモジュールに

モジュール式デスクという仕組みを活かし、これまでもさまざまなアプローチでカスタマイズいただいてきたPREDUCTSのプロダクト群。今回のHeadgear Hangerはその中でももう一歩踏み込んだ「カスタマイズが前提」です。

もちろん、全ての方が自分でオリジナルのパーツを作ったり、活用法を見いだす…ものではないとは思います。ただ、このモジュールによって、新たなデスクの活用法を考えたり、これまで“ものづくり”とは縁遠かった方が試してみたり…といった化学反応が生まれてくれたら。そんな想いを込めたモジュールです。

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