LUMINA Daphine:ワークスペースを彩る道具が、あらたな仕事を導く

2024-03-21GOOD TOOLS

PREDUCTSは「いい仕事」を生み出す道具のメーカーです。

これは私たちブランドの目指す姿でありつつ、自分たち自身が、道具に求めていることでもあります。日々使う道具も”使いやすく”、”創造性を刺激してくれる” ものであってほしい。そんな道具を探しながら、ものづくりに勤しんでいます。

このシリーズでは、PREDUCTSのメンバーが普段愛用している道具たちをご紹介していきます。

こんにちは。PREDUCTSでJOURNALを中心に、コミュニケーションを担当する小山と申します。

今回は私のデスク周りで特に気に入っているアイテムのひとつ、「LUMINA Daphine」というデスクライトを紹介します。

読者の方々はデスク周りにライトは設置されていますでしょうか。正直私は「現代のワークスペースにデスクライトは不要」と長らく考えてきた人間で、このライトも最初は設置すること自体どうか・・・と思っていました。

それでもデスクライトを置き、かつ、今は“ライトがあるからこそ”と思うようなことも増えてきた——そんな背景を含めこのプロダクトを紹介していきます。

ミニマル過ぎない魅力

はじめにこのDaphineの概略を簡単に。

Daphineはイタリアの照明ブランドLUMINAの創設者、Tommaso Ciminiが1975年にデザインした比較的古い設計のものです。今っぽいミニマルな見た目でもなければ、機能美という感じでもない。ただ、少しいかついスタンドと非常に華奢なアームが対比されたその意匠は、他にない独特な雰囲気を纏っていると思います。

扱っている店舗や流通量が少ないからなのか、正直街中で目にする機会はかなり少ないライトです。それゆえ恥ずかしながら自分も数年前までは存在すら知らなかったのですが、たまたま見た雑誌のスタイリングに使われていたのが出会いでした。

光源がLEDになり、裏側から見ると少しだけモダンになっている

現在流通しているものは、初期設計から光源がLEDになり、より扱いやすく現代のライフスタイルにマッチした仕様にアップデートされています。

ぱっと見アーム部分が簡単に折れてしまいそうですが、意外と強度がありここを持って調整しても問題なく動きますし、ベースにしっかりと重量があるためぐらついたりもしません。単なる意匠性だけでなく機能性もしっかりと有しています。

デスクライト不要説という極論

さて、ここからが本題です。冒頭でもお話ししたとおり、私はデスクライトを「不要なもの」だと考えていました。

一般的に照明には部屋全体の明るさを担保する照明と、その中で行われる行為に合わせて明るさを補う照明があります。デスクライトは後者で、“タスクライト”と呼ばれたりもするもの。

言うまでもなく、このタスクライトは読書や書き物、小さなモノを扱う作業、色が正確にわかる必要のある作業では不可欠。事実、私も昔建築関係の仕事で模型を作るときなどには愛用していました。

ただし、これがPC作業の場合必ずしも“不可欠”とは言えないと感じています。(※特に自分の仕事内容/環境においては)

というのも、PC作業の場合は見る対象自体が光源でもあるから。部屋が一定以上の明るさを担保できている場合や、ディスプレイが大型で周囲が視界に入る機会が多くない場合などは、正直デスクライトがあまり役立たないと感じることも少なくありません。

また、大画面のモニタを使っている場合だと、デスクライトの照射範囲が画面の全体をカバーできず、変に明るさのムラが生じてしまうことさえある。それであればライトがない方が目の負荷の面でもよいと感じていました。

そうした背景から、PC作業が主になって以降はデスクライトを使う機会は年々減少。設置こそするもののほぼ置物になってしまっていました。それゆえデスク環境を整えるなかで、いつからかセットアップには入れないようになっていました。

突き詰めた結果、地味になるデスク

ではなぜ再びデスクライトを設置したのか。それは「プロダクトとして好きだから」というシンプルな理由からなんです。

Daphineがここまで語ってきた課題や葛藤を解決するかといえば、NOです。照射範囲は決して広くないですし、今の仕事部屋はそこまで広くないためディスプレイの輝度差を埋める必要もそこまでありません。実際、今は天井照明と併用し、Daphineはモニタの裏面や空間を照らすような使い方をしています。

デスクの右側に設置したり、左側に設置したり

機能としては、正直あまり“ベター”ではない。それでも使うのは、これなら例え単なる置物になっても置いておきたいと思ったから。背景には、私のデスクに対するある悩みがありました。地味なんです。

私は仕事柄テキストを打てれば大体の作業は成立するため、あまり特殊なデバイスをワークスペースに必要としません。かつ、PCの処理能力もそこまで求めないため、ハイエンドなデスクトップなども必要なく、ラップトップ一台で大体の仕事が成立してしまう。ゆえに自室ではラップトップを外部ディスプレイにつなぎクラムシェルで使用することに。

また、変にテキストを打つという行為にこだわりを持つ結果、外出先で使うラップトップのキーボードと自室のデスクトップで使うキーボードが異なることに耐えられず。試行錯誤した結果、外付けキーボードもラップトップと同じ配列・打鍵感になるAppleの純正品に。

以前の事務所。いい感じに見えたこともあるが、見続けてると「地味過ぎでは」という気持ちに

結果、私のデスクは「外部モニタ・純正キーボード・トラックパッド」という、スッキリというより面白みのないセットアップになってしまいました。ものも少ない上に正直どこにでもあるもの。

机をいい感じにしたいけれど、合理性を求めると地味になってしまう。さてどうしたものか......。であればいっそ好きなものを置いたらいいんじゃないかと思い至りました。

よくよく考えてみると、たしかに植物やオブジェなどをデスク周りに置いてる方々はいらっしゃる。そういった先人のデスクを見つつ、自分が何を置きたいか考え出てきたのが、このDaphineだったんです。

道具が仕事を導く

とはいえライトがあればそれはそれで“使い道”を見出すもの。

道具が新たな仕事が生むというのは耳にする話ですが、事実私もDaphineを置いてから簡単な物撮りの補助光として活用したり、これまであまりやらなかったカメラのメンテナンス/クリーニングのライトとして活用するように。

ライトがあることで“どうせならなんか使いたい”と、新たな用途を見いだしたりするようになりました。一見“ムダ”に見えるものでも、次なる楽しみを導いてくれるかもしれない。

そんな可能性を引き寄せてくれそうなものもデスクの周りには必要なのかもしれません。

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