グラフィックデザイナー的キーボード&マウスの最適化

PREDUCTSは「いい仕事」を生み出す道具のメーカーです。

これは私たちブランドの目指す姿でありつつ、自分たち自身が、道具に求めていることでもあります。日々使う道具も”使いやすく”、”創造性を刺激してくれる” ものであってほしい。そんな道具を探しながら、ものづくりに勤しんでいます。

このシリーズでは、PREDUCTSのメンバーが普段愛用している道具たちをご紹介していきます。

こんにちは、PREDUCTSの宮澤です。

グラフィックや動画、音楽、3DCG、CADなどを扱う職種の方は、データを入力するキーボードはもちろんのこと、高精度なポインティングをおこなうマウスやトラックパッド等のデバイスも多用されると思います。

キーボードやマウスを総じてインプットデバイスと呼ばれ、中でもマウスやトラックパッドのようなポインタ(カーソル)の位置を操作するデバイスは、ポインティングデバイスといいます。キーボードのようなデータを入力したり操作を実行するキーやボタンが搭載されたデバイスには以下のように様々な種類があります。

  • パソコン用のキーボード
  • 数値入力に特化したテンキーパッド
  • Stearm Deckなどのプログラマブルな拡張キーボード
  • 音楽を扱うキーボードやシンセサイザー
  • 足で操作するフットスイッチ
  • などなど
さまざまなインプットデバイス
さまざまなインプットデバイス

また、ポインティングデバイスはマウスやトラックパッド以外にも、トラックボール、ゲームコントローラー、ペンタブレット、トラックポイント、タッチスクリーンなどといった多様なものが存在します。

さまざまなポインティングデバイス
さまざまなポインティングデバイス

中でも、私はキーボードとマウスという組み合わせを常用しています。

そんなキーボードとマウスを快適に使うため、いままで個人的に試行錯誤して気づいた、デバイス選定・環境構築における観点をまとめました。(以降、同じ意味合いが強いポインタとカーソルという表現をすべてポインタと呼称します)


キーボード:ディスプレイとマウスとヒトの位置関係から考える

キーボード扱うときは、目の前のディスプレイに表示された内容を操作します。シングルディスプレイであれば、その正面に座り(もしくは立ち)、キーボードを操作する——がほとんではないでしょうか。

その際、身体とキーボードはディスプレイの真正面にあるのに、キーボードを入力するとき両手が左寄りになってしまったり、テキスト入力時は問題なくてもマウス操作がかなり右側になってしまう方も多いと思います。

この原因のひとつはキーボードの横幅です。

フルサイズキーボードは、カーソルキーやテンキーが右側に配置されたぶん、普段入力するキーが左側に寄ってしまうため、テキストを入力するときに身体や手が左側に寄ってしまうのです。
だからといってキーボードの位置を右にずらすと、今度はマウスが右側に離れていってしまいます。

ディスプレイとキーボードとマウスの位置
ディスプレイとキーボードとマウスの位置

また、キーボードからマウスへ移動する右手の距離も増えてしまいます。

右手の位置と移動距離
右手の位置と移動距離

この問題を解消するには、テンキー機能のないテンキーレスキーボードをおすすめします。

右側のカーソルキーやテンキーがないぶん、キーボードの横幅がコンパクトになり、身体の中心に置けるようになります。さらに、右手のキーボードとマウスへの移動距離もコンパクトになります。

テンキーレスキーボードの位置と右手の移動距離
テンキーレスキーボードの位置と右手の移動距離

以上のことから、私はテンキーレスのキーボードを使用しています。


キーボード:テンキーレスキーボードにおける数値入力の最適化

テンキーレスキーボードは、コンパクトなぶん、右手でテンキー入力が行えません。そのため、数値入力系の操作に難がでてしまいます。

テンキーレスキーボードで数値入力する方法を今まで試してきた範囲でご紹介します。

1. キーボード上部の数字キーを使う

キーボード上部の数字キー
キーボード上部の数字キー

キーボードの配列通りに数値入力する方法で、導入・学習コストがかかりません。
ただし、左手の移動距離が長く、また、+-*/等の四則演算記号の入力が難しいです。

2. キーボードの左隣に外付けテンキーパッドを配置する

キーボードの左隣に外付けテンキーパッド
キーボードの左隣に外付けテンキーパッド

本来は右隣に置くことの多い外付けテンキーパッドを、キーボードの左側に置く方法です。
左手での入力に慣れるまで時間がかかりますが、慣れてしまえば身体とキーボードの位置関係を中心で維持でき、理想的な配置になります。

ただし、ワイヤレスの外付けテンキーパッドは、バッテリーの消費を抑えるためにしばらく使用していないとスリープしてしまいます。いざテンキーを使おうとしたときに入力し始めた最初のキー入力がスリープ解除のため反応しない場合があります。

3. キーボードの左側にテンキー機能を割り振る

キーボードの左側にテンキー機能
キーボードの左側にテンキー機能

ユーティリティソフトを利用し、キーボードの左側にあるキーに、テンキーの機能を割り振る方法です。

キーコンビネーション(特定のキーを押したまま、他のキーを押すこと)でテンキーとして使用します。キーコンビネーションではなく、特定のキーを押してでテンキーモードになり、もう一度特定のキーを押すことでテンキーモードを解除。といった方法も可能です。

この方法は、導入と学習のコストが非常に高いのが難点です。ただ、慣れてしまえば手の移動距離がかなり減らせますし、テンキーのレイアウトや割り振るキーを自分好みに設定できるメリットもあります。

私は現在こちらの方法を実用しています。


マウス:「持ち方」からマウスを考える

マウスにはサイズが小さいものから大きいものまであり、サイズと操作方法に合わせて持ち方が変わってきます。

1. かぶせて持つ

指や手のひら全体をマウスの上にかぶせる持ち方です。
肘を支点に、腕を横に振ってポインタを左右に移動し、前後の移動は肩と肘を使います。

かぶせて持つ
かぶせて持つ

2. つかんで持つ

マウスの左右を親指と薬指・小指で挟み、マウス後方に手のひらを添える持ち方です。
手首を支点に、手を横に振って左右に移動し、前後の移動は肘と肩を使います。

つかんで持つ
つかんで持つ

3. つまんで持つ

マウスの左右を親指と薬指・小指だけでつまむ持ち方です。
手首を支点に、手を横に振って左右に移動し、親指と薬指・小指の関節の曲げ伸ばしで前後の移動をします。

つまんで持つ
つまんで持つ

大きなマウスを使用していたり、比較的手が小さい方はかぶせて持つことが多いと思います。

この持ち方は腕全体を動かさなければならないので、長時間マウスを使用していると腕が疲れたり腱鞘炎になる恐れがあります。また、細かな操作に不向きで、マウスを移動させる量が増えがちです。

上記のことから、個人的にはつまんで持つ方法をおすすめしています。手の大きさの関係でつまんで持つのが難しい方は、つかんで持つ方法でも良いでしょう。


マウス:ボタンに割り当て機能の最適化

マウス操作を頻繁に行うグラフィック系の作業でも、

  • オブジェクトを選択してdeleteキーを押す
  • オブジェクトを選択してカーソルキー(上下左右キー)で移動する
  • enterキーを押してダイアログを確定する

などといったシーンで、一時的にキーボードのキーを押す機会はとても多いです。
その都度マウスから右手を離してからキーボードのキーを押していると、時間のロスにもなりますし、右手の疲れの原因にもなります。

キーボードとマウスを行ったり来たり
キーボードとマウスを行ったり来たり

そこで、マウスとキーボードを往復するタイミングを減らすため、よく使うキーをマウスのボタンに割り振ってしまいます。

マウスから一時的に右手を離すシーンは、ほとんどの場合キーボードの右側にあるキーを押すときです。
これら、キーボードの右側にあるキー(delete, return, , , , )をマウスの空いているボタンに割り振ります。

右側のキーをマウスに割り当てる
右側のキーをマウスに割り当てる

マウスのボタンにキーを割り当てれば、マウスを右手で持ったまま、delete, return, , , , の入力が可能になります。

以上のことから、マウスを買うときカスタマイズできるボタンの数が重要になります。そのため、自分はなるべくボタン数の多いマウスを選ぶようにします。
なお、マウスのボタンをカスタマイズする場合は、マウス付属のドライバーソフトや、汎用ドライバーソフトの導入をおすすめします。


マウス:移動範囲の最適化

マウスは、システムの設定やドライバーソフトでポインタの移動速度が変更できます。

macOSの場合、軌跡の速さという名称であったり、他のドライバーソフトでは加速度感度といった設定項目でポインタの動きが調整できます。
これらの設定で、マウスが遅い(マウスの移動距離に対してポインタの移動距離が短い)状態だと、マウス自体の移動距離が増えてしまい、マウスを持ち上げて位置を戻すという動作が何度も発生してしまいます。

マウスを何度も持ちあげる
マウスを何度も持ちあげる

それを改善するためにマウスの設定を見直し、元に戻す動作を極力減らすようにします。

画面の左上から右したまでポインタを移動した際、マウスを一度も持ち上げないか、1回程度の持ち上げで済むようにできれば、手への負担が減らせると考えています。

ディスプレイの端から端へ移動
ディスプレイの端から端へ移動

画面の左上から右したまでポインタを移動した際、マウスを一度も持ち上げないか、1回程度の持ち上げで済むようにできれば、手への負担が減らせると考えています。ドライバーソフトによって呼称や意味合いが異なることがありますが、

  • 感度・解像度・DPI:マウスを決まった距離動かしたとき移動するポインタの距離です。
  • 軌跡の速さ・加速度:マウスを素早く動かすとポインタの移動距離が伸び、マウスをゆっくり動かすとポインタの移動距離が短くなります。

といった意味を持つようです。

この辺りは個人の好みが出る部分ですが、私は一定の速度でマウスを扱いたいため、加速度を0にし、感度をかなり高めに設定しています。


以上、グラフィック作業を主軸に置いたキーボードとマウスについてのまとめでした。

キーボードやマウスはグラフィック作業をするうえで重要なデバイスです。また長時間使うことも多く、作業時間ロスの原因になったり身体に与える影響が出てくることも考えられます。
いままで特に気にしてこられなかった方も、もしご興味ありましたらぜひ自分にあった作業環境を見直してみてください。


おまけ:私の作業環境

  • メインモニタ:LG UltraFine 4K 24インチ
  • サブモニタ:LG UltraFine 4K 24インチ & MacBook Pro 14インチ
  • キーボード:Keychron K3 Pro
  • マウス:Logicool G604
レイアウト
メインモニタの中心に合わせて、MacBook Pro、キーボードの順に配置。
キーボード
MacBook Proのパームレストの発熱に耐えきれず、外付けキーボードを導入。高さの低いロープロファイルタイプのメカニカルキーボード。
マウス
15のボタンを備えたゲーミングマウスを使用。それぞれのボタンはアプリケーションごとにキーの割り振りを変更。

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